話は変わるがVogue(ヴォーグ)は去る10月24日、25日に行われたBEWITHサウンド・コンテスト東日本地区大会に於いて第一位に輝いた実力の持ち主。それだけに僕が試聴したオーナーのクルマは、どれも完成度が高く、搭載されたコンポーネンツの実力を確実に引き出している感があった。ほとんどのクルマがインストール完了後2~3ヶ月というクルマであり将来的なグレードアップ・プランを提示させてもらったが熱心なユーザーが多いので意外に早くグレードアップを実践する人も多いのではないかと思う。

当日、展示していたホーム・オーディオ機器は僕がセレクトしたものでシンプルかつスタイリッシュな製品たちだが決してデザイン優先ではなく価格以上のパフォーマンスを秘めたコンポーネンツばかり。その中から当サイトの編集部が特に注目した製品を紹介したいと思う。

その一つは、今やイタリアを代表するブランドとなったオーディオ・アナログのプリモ・シリーズのインテグレーテッド・アンプ“Primo CENTO VT”とCDプレーヤー“Primo CD VT”型番末尾のVTはヴァキューム・チューブ(真空管)の略、“Primo CENTO VT”はプリ部に、“Primo CD VT”は出力バッファー部に真空管を採用しているのが特徴。両機とも所謂ハーフサイズのコンパクトなボディだが実力はフルサイズの大型機を凌ぐものがある。この両機で鳴らしていたスピーカーはスイス、ピアガのTS3。ピアレス社と共同開発したオリジナル設計の10cm口径ウーファーとネオジウム磁気回路のソフトドーム型高域ユニットで構成される一見オーソドックスな小型2ウェイ機。しかしウーファーは新開発の振動板と独自のサスペンション機構を備えロングストローク化と高耐入力化を図っている。そして剛性が高く十分な容積が確保できるアルミ・エンクロージャーによってサイズを超えた低域再生能力を実現している。そして透明度の高いナチュラルかつピュアな中高音を聴かせてくれた。

もう一つは北欧スウェーデン、Audio Proブランドの“Stereo One”と名付けられたコンプリート型システム。本機はCDプレーヤー、チューナー、アンプを一体化したセンター・ユニットと小型2ウェイ・スピーカーで構成されている。スピーカー・システムは同社の人気システム、ブラック・パールV2をさらに小型化したような外観で充実感のあるリアルな低音再生を可能にする同社独自のace-bassとace-plus機構を搭載しているのが特徴だ。トゥイーターはオーソドックスなシルク・ドーム型だがアルミ・ダイキャストのプレートにマウントしてエンクロージャーにビルトインすることによりトゥイーターはエンクロージャーから分離されウーファーの振動から開放され濁りのないクリアーなサウンドを実現。スピーカー・システムとセンター・ユニットを組み合わせることで38Hz~40kHzという大型スピーカーにも負けない低域レスポンスを確保しているのが驚きだ。サウンドは国産のミニコンやこうしたコンプリート・システムにありがちな特定の帯域をブースとしてメリハリを効かせることのないナチュラルな再生音を実現。Ace-bass機能をON にすると確実に低域レンジが拡大し低音楽器の質感や量感がよりリアルに再現させる。といってもラウドネス機能のように単に量感を増加させ籠もった低音にすることはない。そして小音量再生時にも音楽的なバランスを崩すことがない点も好ましい。ウッドベースのピチカート音なども線の太さを演出することなく質感やニュアンスを正確に描き出す。そして中高域も質感が高くピアノは鮮度の高い美しい響きが得られ女性ヴォーカルは瑞々しい表情で再現していた。
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